幸楽ブログ in 大阪

39歳無職ひきこもりから悪くない人生を手に入れる記録

森川弘子さんの年収150万円一家を読んだ

森川弘子さんの年収150万円一家と年収150万円一家節約15年目を読みました。

旦那さんはSF作家、森川さんはイラストレーターという収入が不安定な夫婦と娘さんの3人家族の節約生活に関する本です。

とりあえず色々低収入生活というか貧乏生活についてググってたら見つかったので読んでみましたが、昨日書いた大原扁理さんの生活を夫婦でやっているみたいな感じですね。

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家族みんなでついでにトイレで節約する徹底ぶり

森川家は本当に生活する上でお金を使わないんです。トイレすら一緒に済ませて水道代を節約するとのこと。

僕は家族といえどトイレはキツイだろと思ってましたが、森川さんは汲み取り指揮便女の家に育ったらしく平気らしい。あとバックパッカーとして世界各地を旅したので、トイレが不衛生なとところなんて世界では当たり前で慣れっこ。

韓国も下水道があんまり整って無くてトイレットペーパー流せないと聞きますし、まぁそう言われればそうかなあと思いますが、日本でやるのは凄い。

ただ一応これは水道代より水資源の節約するための行動らしいですが、読者からの受けは相当悪かったらしく書いたのを後悔しているそう。(笑)

年収150万円生活の秘訣は自炊、懸賞、フリマ

家計簿も書かれているんですが、基本モノは買わなくて懸賞などで貰う。買うのはフリマ。

懸賞は毎月葉書は10枚ぐらい出して、ネットでも応募しているそう。これでホームベーカリーが当たったり、旅行券を当てたりしているそう。懸賞は応募し続ければ当たるとは聞きますよね。

そして食事は安いものを買って徹底して自炊という生活。家族3人で毎月の食費がほぼ1万円程度というのは凄い。

でも薬味などはガーデニングで作ったり、安い食材を買ったりして作り置きしたらできるのかな?……なんて思いますが、僕は実家住まいなのでわかりません。

でも、多分、世の旦那さんが奥さんに1万円ぐらいで食費は抑えてと言ったら離婚待ったなしなんじゃないでしょうか。

本にも書いてありますが節約に関する工夫が趣味レベルまで高められている森川さんだからこそできる生活な気はします。

思い込みを外してくれる本

僕はサラリーマン時代の手取りは22~3万円だったんですが、一人暮らしできる気はしませんでした。

というのも煙草を1日2箱吸って、ビールも毎日2リットルぐらいはガブガブ飲む。そして、付き合いも飲みに行く。

こんな生活なので給料なんて余らないんです。

もちろん酒、煙草をやる人でも抑え目にして一人暮らししているのはわかってましたが、当時の僕にはそれがもの凄く窮屈な生活に思えました。

でも、昨日の大原扁理さんにしても森川弘子さんにしてもそれ自体を楽しんでいるので、決して窮屈ではない。

それに出費を下げているから貯金だって出来るし、むしろ給料を使い切る僕なんかより精神的に余裕があるでしょう。

そう考えると年収150万円生活というのは経済的にも精神的にも余裕を持つための方法であって、決して貧乏が故の方法ではない気もします。

現に森川さん一家は年に1回の海外旅行ではわりと豪遊することが書かれていますし。

あとがき

森川弘子さんの本はアマゾンではすこぶる評判が悪いです。まあそれは森川さんがわりとハード節約家で、子供にもあまりお金を掛けないことが原因なようです。

ただこの本を書いている頃は娘さんは物心つくかつかないぐらいの年代なので、そこでお金を掛けてもあんまり覚えてないんじゃない?なんて思うんですけどね。

昔の彼女が「女の敵は女」、「女が集まっても碌なことにならん」って言ったのを何か思い出しました。

本自体はコミックエッセイなので読みやすいし、無駄遣いでお金が貯まらないという人、節約したいという人は一読の価値ありだと思います。

 

大原扁理さんの20代で隠居 週休5日の快適生活を読んだ

大原扁理さんの20代で隠居 週休5日の快適生活を読みました。

ペンネームなのかもしれないですけど扁理(ヘンリ)というのは変わった名前ですね。でも、この人名前だけじゃなくて性格も変わっている。

関西でいう変子ですね。

高校卒業してすぐに携帯を解約して不要な人間関係を切ってみたり、バイト以外で喋らなさ過ぎて普通の会話が出来なくてこれはヤバイと思って海外に放浪の旅に出たりとブッ飛んでいる。

紆余曲折を経て東京の多摩市で週に2日働いて7~8万円の稼ぎで生活して、隠居生活を送ることになるのも読んでいるとそんなに違和感が無い。

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大原扁理さんのゆるい感じが気持ち良い

本の全編を通して伝わってくるのは良い感じの脱力感というか気負いの無さ。

こういう普通の生き方とは違う系の本って、自分は今はハッピーだぜ!というところは平和だったりするけど、日本の労働事情とか社会システムに関するところになるとやたらと牙を剥いて「社畜なんてクソなんだよ!オラァ!」な感じだったりする。

大原扁理さんも派遣社員として苦労したり、上京してフリーターしてた時は苦労したと書いているけど、「ワーキングプア時代は本当にクソみたいな生活で~」みたいに振り返るのではなくて、わりとさらっと書いていてる。

こういうところが精神的にも隠居できているのかなと思う。

大原扁理さんの考えはもの凄く仏教っぽい

本の中でも前世は坊主だと言われたことがあると書いてありますし、他力本願とか無理しないとか、禁欲寄り(完全に禁欲ではない)なところがもの凄く仏教の考えと近い感じがします。

粗食なところとかね。

僕は仏教に詳しいわけじゃないですが、仏教ってゆるい現実主義みたいなイメージなので、多分近いのではないかと思います。

読んで気持ちが楽になる本

フルタイムの仕事は本当に辛いので辞めて生活水準を落としたら意外に楽しかったYO!という本なんですけど、いい感じに気持ちが楽になるのは間違いないです。

あとわりと食がこの本でもかなりの部分を占めるんですけど、やっぱり自分も家を出て食をコントロールしたいなと思います。

医食同源なんて言うし、自分の周りでも食が性格とか考えに影響を与えると言っている人間は多いんですよね。(肉を食べると攻撃的になるとか)

大原扁理さんみたいに7~8万円で一人暮らしできるかどうかはわからないですけど、そんなに稼がなくても一人暮らしできるのがわかったので家を出たいとやっぱり思いました。

P.S

大原扁理さんは働いている2日間は障害者介護の仕事をしているそうです。

それで他の人の感想で「障害者の介護は楽じゃないぞ!何が快適生活じゃ!」みたいに書いてあって、実際に本を読んでみたら大原扁理さんも障害者の介護は大変って書いてあるんですよね。具体的な描写もありつつね。

後半部分なので読み飛ばしているのかもしれないけど、やっぱ人の書評を見るより実際に本を読まないとダメだなと思いました。

日本一のニートpha氏の旅に関する考えで一人旅がしたくなった

心は何かをやらなくちゃいけないと叫び声を上げているのに、頭も体もそれには同調してくれず何も出来なくてただ時間を潰す感じでこの1週間過ごしてきた。

そんな中ふと見た中年フリーターのブログで日本一有名なニートであるpha氏の記事があり、そこからpha氏の記事を読み漁った。

僕は古参のはてな民でもないし、2chにもハマったタイプではないので、あんまり彼については知らない。恐らく最初に認識したのは職業訓練に関する彼の記事を見て、phaって誰だ?みたいに調べて認識したのが初めてだった。

pha.hateblo.jp

そして、彼は京大出身で頭良いし、そりゃニートでも何でもやっていけるでしょみたいな嫉妬めいたものを感じていた気がする。

pha氏流の旅に対する考え方

そんな彼の昨年出版した「ひきこもらない」という書籍の一部が幻冬舎のサイトで読めたので面白くて読んでいた。

pha<移動時間が好きだ> - 幻冬舎plus

そして、次の一説で僕は膝をポンと叩いた。

 旅先でも一切特別なことはしない。観光名所なんか一人で行ってもつまらない。景色なんて見ても2分で飽きる。食事も一人のときはできるだけ短時間で済ませたい性格なので、土地の名物などは食べず、旅先でも普通に吉野家の牛丼とかを食べている。あとはマクドナルドで100円のホットコーヒーを飲みながら持ってきた本を読んだりスマホでネットを見たりする。

 要は普段家の近くでやっていることを別の場所でやっているだけなんだけど、僕にとってはそれで十分楽しい。

 

一人旅でも家に居るように振舞って良いのかと思った。

正直言って実家にずっと居るのも辛いし、どこかに行きたいとは思う。

でも、僕は一人で旅をしても楽しめないと思っていた。名所、旧跡を見るために観光地を回っても絶対に暇を持て余す。

ああいうのは友達や彼女と行って、わいわい話しをするのが楽しいのであって一人では楽しめない。なので行く友達も彼女も居ない僕は旅から縁遠くなっていた。

しかし、このpha氏の考えなら旅に出ても間が持つ。何より知らないところに行っても、観光を敢えて楽しまないでもいいじゃないというので気持ちが楽になった。

それなら、何気なく名古屋辺りまで近鉄特急に乗って出かけて、あんかけパスタでも食べてどこか泊まって来ようかなという気になった。

知らない場所に行くだけでも気持ちは楽になる

前に務めていた時は東京出張がわりとあって、東京で何気なく飯を食ったり、ビジネスホテルでダラダラネットしているだけでめちゃくちゃ気持ちが楽になった。

人の辛さとか悩みは案外土地とか住んでいる場所と結び付けられているものだと思う。なので、旅行に行くと普段の悩みや辛さから解放されて気持ちが楽になるのだろう。

別に観光名所やおすすめのお店やアトラクションを楽しまなくても、脳は普段の苦悩からは解放されるはず。むしろオッサンが観光名所を無理に楽しもうとしても、疲れるだけかもしれないしね。

ひきこもりよ旅に出よう

無職ひきこもり状態ならぶらりと旅に出かけてみるのも良いだろう。そのお金が無いなら短期間バイトをすれば良い。

バイトをして2~3万円ぐらい稼いで、それで旅に出かけるのを繰り返して、遊ぶのも良い。

経営コンサルタント大前研一の有名な言葉にこんなのがある。

自分を変えるにはどうしたらいいか。私が昔から使っている簡単な方法が3つある。時間配分を変えること。住む場所を変えること。そして付き合う人を変えることである。

大前流「自分を変革する」3つの方法 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

 

住む場所を変える変わりに旅を頻繁にするというのもありだと思う。なんか稼げない人の習慣にあまり旅行に行かないというのもあったし、旅行は人間に良い影響をもたらすはず。

寒さがおさまったら僕も旅に出かけようと思う。

ニートの思想的リーダーpha氏

旅行に出かけても何もしないでも良いじゃないというのは、僕としてはコロンブスの卵的発想だった。

インスタ映えなんて年でもないけど、旅に出かけるならその土地のモノを楽しまないと損ぐらいに考えていた。でも、そうじゃない、ニートも旅に出かけても良いんだ、出かけてもこうやって楽しめば良いんだというのを気づかせてくれた。

あとサウナの話(サウナの良さがわかると「世の中のオッサンらはこんな気持ちいいことしとったんか!」となるらしい。pha氏は「マンガ サ道~マンガで読むサウナ道」を読んでサウナ道を志したらしい。)も面白かったし、他のpha氏のインタビューや対談も見たけど、ニートが楽になる考えを色々発信されているので他の著作も読みたくなった。

 

bizmakoto.jp

睡眠の質を高める3つの行動|あなたの人生を変える睡眠の法則

毎度、サイトーです。

あなたの人生を変える睡眠の法則を購入したのは昨年9月。精神的にかなり参っていた時期で、眠れずに酒が増えていた時期だと思う。睡眠に関する本を読んでみようと思って手に取ったのがこの本。

著者の菅原洋平は作業療法士という一般には聞きなれない職業。手足が不自由になってしまった患者をケアするリハビリテーションに関する医療専門職で、医療的な知識をビジネス分野に持ち込んで起業した変り種。

現在は企業に対する社員の睡眠、健康に関するコンサルティング、研修などを行っているみたい。

よりよい質の良い睡眠のための3つの行動

1日は24時間なのに人間の体内時計は25時間という話を聞いたことがある人も多いと思う。つまり、何にも意識しないと寝る時間、起きる時間がどんどんズレていく。

会社も学校もそれに合わせてズレてくれたらありがたいんだけど、そんなわけには当然行かないので睡眠のリズムが壊れて寝不足になったり、睡眠の質が悪くなったりするわけだけど、それを防ぐ3つの簡単な行動を著者は紹介しています。

  • 朝起きてから4時間後までに光を5分ほど見る。(部屋を明るくするでもOK)
  • 起床から6時間後に5分ほど目を瞑る。
  • 起床から11時間後に5分ほど姿勢をよくする。


以上を実践することで睡眠の質が高まるそう。理屈に関しては結構ややこしいので本書を読んで欲しい。(笑)医療関係者だけあって、しっかり理屈は書いてくれている。

眠りを科学的に捉えるきっかけに良い

睡眠に関する本を読んだのはこれが初めてなんだけど、睡眠を科学的に捉える入門書として良いと思う。眠る時、眠い時、眠れない時に何が起こっているのかの理屈を書いてくれているので、根拠が気になる人には良いと思う。

寝つきが悪い、眠れないなど睡眠が悩みという人は多いので、何で眠れないんだという理由がわかるきっかけにもなるだろう。

あと睡眠の悩みタイプ別に改善案が載っているのも良い。

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まとめ

これは睡眠から自己啓発-やる気方面にアプローチした本でもあるんだけど、物事を今よりうまくやれる方法(自己啓発方法)を調べるより、今の自分に出来ることをしっかりやる方が良いなとは思った。

つまり、ぐっすり寝て自分に出来ることをやっている方が成功する確率も上がるだろうと。

そういう意味ではタイトル通り人生を変える可能性のある本だと思う。

ちなみに成長ホルモンは22時~翌2時に出るというのは、その時間に寝てる人が多いだけで、寝てから3時間以内に誰でも出るらしいというのが目からうろこだった。

夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘の感想

毎度、サイトーです。
「夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘」という本を読みました。読んだきっかけは、読んでいるブログで紹介されていたからだ。

本のタイトルで俺が最近考えていることを書いていること間違いなしと思ったので、即購入した。ちなみ著者の中川淳一郎ウェブはバカと暇人のもので有名だ。

現在の日本は「夢」がやたらと優遇されすぎている。だが、夢を追い続けた結果、悲惨な目に遭った人を散々見てきた。ミュージシャン、お笑い芸人、作家、司法浪人生、国家公務員受験生、学者、アーティスト、芸能人、起業したい人、フリーランスで自由に働きたい人、……夢を簡単に煽って欲しくないのである。

彼らがどんだけ「夢を持て」といったことばに騙されて悲惨な人生を送っているか!

本書で語るのは、そういったおとぎ話を真っ向から否定する、地に足の着いた仕事論である。さあ諸君、ワーク・ライフ・バランスに悩むのをやめ、「夢を諦める日付」を手帳に書き入れよう。仕事は元来、くだらないものなのだ。

 

こんな内容から始まるこの本だが、巷に溢れる「夢を持て!」に対する逆張りで書かれた捻くれた奴の本ではない。

むしろ、優しさから「夢なんか追っちゃダメだよ!」と言っている。

我々フツーの「凡人」、「小物」(引用)である人生の先輩としての仕事論についてのアドバイスである。ちなみに著者は一橋を出て博報堂に入っているので、俺などは何をかいわんやである。

実は真面目な仕事論

さて、届くまでの間に他の人の感想でも見ようかなと思ってググってみると、こんなページに行き着いた。

ji-sedai.jp


アホなおっさんがふんどしで発売記念の対談をやっている。

もしかして買って失敗か?と思ったんだけど、良かった。俺は少し感動すらした。

夢なんか叶わない、夢死ね!というのは単なるジャブで、次章から本編が始まる感じなんだけど、「クライアントが俺に責任は無いという証明のための謝罪文」とか「誰がこの中で一番偉いかという序列」とか「根回し(博報堂では仁義を通すというらしい)」とか、博報堂のような大企業ではないけど、わりと堅い業界で働いていた俺はあるあると笑ってしまった。

そんなこの本も、章が進むに連れて面白おかしいテンションが変わり、著者の仕事観の話になっていく。

博報堂に入って初めての誕生日。著者はクライアントのイベントで名古屋に初めての出張に行く。

イベントも無事終わり、40代、50代のクライアントと酒を飲み、カラオケでどんちゃん騒ぎ。もちろん、著者はお酌をし、言われるがままに飲み、盛り上げるためにタンバリンを叩く。

ディス イズ ジャパニーズサラリーマンをやっているのだ。

そんな時に博報堂の先輩社員が「こいつ(著者)は今日誕生日なんですよ。何か祝ってくれませんか?」と言ってくれ、おっさんばっかりで著者のためにハッピバースデーの曲を唄ってもらった。

ここで著者は「社会人っていいじゃん」と思うのである。

俺はここに感心した。誕生日に名古屋まで来てオッサンどもにハッピーバスーデーを唄って貰うなんて、普通に考えて嬉しくない。

クライアントの手前その場ではありがとうございます!と言っても、何も心に残らないはずだ。

著者は真面目で地味なタイプなのでチャラい同期についていけず、また仕事もキツいので辞めて大学院に進学するかと考えていたらしい。

それがこの時に初めて社会人っていいなと思えたらしい。うまくいえないけど、仕事って何やってようが結局は人間関係で、その人間関係を肯定的に捉えられるかどうかって凄く大切なことだと思う。

あとがき

著者は元広告代理店の人間なので、この本を書くときにターゲットを決めていたんだと思う。

俺の予想では就活中の大学生から社会人になって転職を考えている層が大きなターゲットで、ピンポイントで狙っているのは「仕事なんてクソ、このクソ会社辞めてやる」って考えている人かなと思った。

俺は会社を辞める前にこの本を読んでいても仕事は辞めただろうが、自分がサラリーマン時代に何がダメだったのかを考え直すいい機会になった。

キラキラして希望に燃える学生にも、死んだ魚の目をして通勤しているサラリーマンにもおすすめの一冊。